2021年4月からGIGAスクール構想が本格的にスタートしましたが実は、タブレット端末が1人1台配布されていても、学校からの持ち出しが禁止されているところもあり、統一されていません。
- 専用のタブレット収納は必要か、いらないか知りたい
- タブレットが入るランドセルのサイズが知りたい
- 失敗しないランドセルの選び方が知りたい
この記事では、キルティング生地でタブレットケースを製作している私がタブレット収納付ランドセルのメリットとデメリットについて一つ残らず本音で語ります。
学校に問い合わせるときの印刷用チェックシートも用意したのでぜひ、確認して失敗・後悔のないランドセルを選びましょう!
タブレット収納付スペースは本当に必要か、2つの注意点
2021年4月からGIGAスクール構想が本格的にスタートし、ランドセル業界にも影響を与え、タブレット収納付ランドセルも出てきました。カラーバリエーションだけなく多種類のランドセルが並び、時代の変化を感じます。
結論は、ランドセルに専用のタブレット収納は必要か、どうかを判断するのであれば特に移行期(*1)2022年時点(新年度:2023年度版)では、不要。
*1:2021~2023年ごろ
大きな1つのデメリットは、学校のタブレット端末が統一されていない上に専用の収納付ランドセルは、ひと握りと少ない。端末が専用スペースに合わない可能性が大きいこと。
▼タブレット収納付ランドセルを検討している人は、2つの注意点を忘れずにチェック!
【注意1】全国統一されていない
- モデル例1:windowsOS端末(キーボード付)
- モデル例2:ChromeOS端末(キーボード付)
- モデル例3:iPadOS端末(iPad第7世代+キーボード)
windowsOS端末 | 10.1~11.6インチ |
ChromeOS端末 | 11.6インチ |
iPadOS端末(第7世代) | 10.2インチ |
なぜ、種類・サイズが統一されていないと注意が必要なのか。
それは10.1インチと11.6インチでは大きさが違うため、サイズによっては専用収納スペースやタブレットケースに入らなくなります。
例えば、10.1インチ収納できるケースを用意していたら、自分の通う学校は11.6インチのChromebookだった、となれば用意していたケースが使えなくなります。
地域や学校によってバラツキがあるため、統一されない間は特に専用のタブレット収納付ランドセルを購入する場合は慎重に選ばないといけません。
学校によってはタブレット以外に学年によってキーボードなども収納する必要があるようです。
ランドセルの専用タブレット収納スペースにタブレットが入るとしても、キーボードまでは収納できないことも。その場合は別の収納袋を用意して、結局ランドセルの収納スペースを使わなくなる、と考えられます。
付属品を一緒にひとつの袋に収納する方がラクですよね。あとからケースを買い替えないように学校のルールを把握しておきましょう。
今回参考にした岡崎市の小学校では、児童机の横にかけておくために手提げ付きタブレット袋を用意するよう指示されていました。しかし、持ち手の無い物が望ましいという学校もあります。
- タブレット収納付ランドセル
- ランドセルメーカー専用の付属品ケース
- 自分で用意したタブレットケース、カバー
これらが学校のルールに合うのか、判断してくださいね!
地域、学校によって異なり、自分の子が通う小学校から指示が出されるので学校に確認してからランドセルやタブレットケースを購入してください。
購入後、「失敗した!」とならないように準備をしましょう!
【注意2】専用収納スペースに合わない
- 小学校全学年の教科書がB5サイズ統一
- 5~6年生の「こくご」「さんすう」のみA5サイズ統一
このように教科書はルールがあります。
しかし、タブレット端末は全国的に統一されておらず、地域によってさまざまなのが現状です。
タブレットの機種やサイズが地域によって違うため、専用スペースに入らず、機能を果たしていない事実も忘れないでください。
専用収納付ランドセルは販売開始され始めた新しいタイプです。
- 高島屋:2017年~
- イトーヨーカドー:2020年~
このように一部、早くもタブレット端末収納ポケット付き大容量ランドセルが販売されていました。
新機能のものは値段も通常より高い傾向にあり、予算と相談し、「使ってみて専用スペースはなくてもよかった」「入らない!使えない!」とならないように購入には慎重に判断してください。
購入前に通う小学校のタブレット端末の機種やサイズ(外寸法・厚み)を確認しましょう。
PDF【活用できる】「学校にタブレット端末について問い合わせるチェックシート」を見る
ランドセルにタブレット端末が入らないなんて致命的!
学校からタブレットケースの準備について連絡事項が届きますが、学校によってお知らせの詳細は、さまざま。わからないことや疑問に思ったことは学校に確認するのが一番です。
小学校から貸し出されたタブレットのサイズがランドセルに合わず、「タブレットが入らない・・」なんてショックですよね。
知らないと損する!ランドセルを購入する前にチェックしておきましょう。
【インチ数の落とし穴】外寸法の把握が大事
モニター本体全体の外寸法は製品によって異なるため、確認が必要!
インチ数だけでは横・縦の長さは決定しません。
インチ数と画面比率(アスペクト比)で「端末の横・縦の長さ」が決定するためです。
アスペクト比とは、画面サイズの縦横比のことで、現在主流なのがワイド(16:9)。
ワイド | 16:9 | 地デジTVやYouTube。 |
スタンダード | 4:3 | アナログTVや古いPC画面。 (最近は減少傾向あり) |
モニター画面部分の対角線のサイズがインチ数であり、フチの大きさはサイズに含んでいません。
サイズを把握するにはインチ数ではなく、フチを含めたモニター本体全体の横・縦の外寸法を確認する必要があります。
タブレット端末のインチ数が同じでもメーカーや機種によってサイズが異なるのがポイント!端末の厚みも重要です。
windowsOS端末 | 10.1~11.6インチ (約25.6cm~約29.4cm) |
ChromeOS端末 | 11.6インチ (約29.4cm) |
iPadOS端末(第7世代) | 10.2インチ (約25.9cm) |
これだけでは、本体全体のサイズ・厚みがわかっていません。
ランドセルの機能紹介で「〇〇インチまで収納可能!」とインチ数で表現されている場合は、注意が必要です!
上記、イオンのタブレットケース付きモデルのランドセルは「10.5インチ」まで収納可能と説明。イオンのタブレットケース付モデルが候補にあがっている場合は、本体全体のサイズを通う小学校に確認をした方がいいですね。
また、10.5インチまでなので11.6インチのChromeOS端末やWindowsOS端末は収納できません。
必ず iPadOS端末であるかどうか、キーボードの有無を小学校に確認をしてください。
※iPadOS端末以外のタブレットであった場合、このランドセルの新機能を十分に果たせなくなります。
PDF【活用できる】「学校にタブレット端末について問い合わせるチェックシート」を見る
新機能ランドセルを十分理解する
タブレット端末が1人1台配布されても当面は既存教材がメインです。
紙の教科書やノート、タブレット端末などをランドセルに詰めこむので高学年ほど、荷物が増えることは変わりありません。
今後、タブレット学習は拡大していく流れで専用のタブレット収納スペース付ランドセルは数年にわたり種類が増すでしょう。
しかし対象モデルはほんのひと握りで、いろいろな種類からランドセルを選べるというよりは、対象モデルは限られてしまうのも痛いところ。
家の間取りと同じですよね。たくさんの仕切りがある部屋がいいのか、広いLDK(リビング)で仕切りを減らすのか、というようにメリット・デメリットはあります。
専用のものは便利ですが、サイズや機能を確認して使用しないと逆に不便になります。
数年後、
- 「やっぱりタブレット学習の導入をやめます」
- 「タブレット端末の持ち帰りをやめます」
- 「タブレット端末の持ち出し禁止」
このように変わるかもしれません。将来どうなるか、わかりません。
過去に、「ゆとり教育」がなくなった時代の流れもありますからね。
今後、例えば「iPad端末が撤退」となり、使っていた端末が普及されなくなった場合、今までと違うサイズの端末を使用することになります。
場合によっては、途中で端末の変更があるかもしれない、ということも理解しておきましょう!
専用の収納付ランドセルなのに今まで使えてた機能が使えない、なんてことになったらショックですよね。
もし、使えなくなってしまった収納ポケットでも、ほかのものを入れられるのか確認しておくと安心です。
必ず、実物のランドセルを手にとって使いやすいのか、確かめておきましょう。
子どもたちの文房具の進化「学校の新しい未来」
「GIGAスクール構想」では、すべての児童・生徒がタブレット端末を1人1台日常的に活用して教科の学びを深めるという狙いがあります。
例えば、
- 調べ学習
- プレゼン資料や文章の作成
- データ分析
ICTの効果的な活用によりハード面の整備からさらにソフト面も充実させ、学習に対する興味や関心の向上、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す取り組みを指します。
ICTは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略です。
ITに「Communication(通信、伝達)」という言葉が含まれていて、ITよりも通信によるコミュニケーションの重要性を主としています。
- IT:ハードウェアなどコンピュータ関連の技術
- ICT:情報を伝達することを重視
タブレットなどの端末を配置して校内LAN環境を整備するだけでは教育のICT化を実現したとは言えません。
環境を整備しただけでなく、IT技術をどのように活かすかが課題です。
情報活用能力やプレゼンテーション能力の向上につながる新しい教育環境の実現に期待されています。
GIGAスクール構想による端末の普及
70自治体等(3.9%)が整備未完了。
【令和3年8月から12月の間に整備完了予定:25自治体等】
【令和4年1月から3月の間に整備完了予定:30自治体等】
【令和4年4月以降に整備完了予定:15自治体等】
参考文献:文部科学省「端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)速報値」
2021年4月からGIGAスクール構想が本格的にスタートし、全国の96.1%が対応済みで端末が普及し始めました。(2021年7月末時点)
すでに端末から宿題を提出するクラスもあり、ICT環境の整備が進んでいるところと整備されていないところの差がまだ大きい時期。
コロナ禍の影響により3年前倒しで早まり、移行期では教育現場の試行錯誤が重ねられ、現状はまだ不安定です。
2021年(令和3年)9月1日に発足したデジタル庁では、アンケートを実施し、約26万件の回答が集まりました。
▲参考文献:「GIGAスクール構想についてのアンケートの取りまとめ結果」デジタル庁
【学習者(児童生徒)について感じる課題】
・「操作など基本的な使い方が分からない」
・「学習以外の用途に利用してしまう」
・「情報モラルが不足している」
・「ネットワーク環境が整っていない」
・「家庭での学習に利用できるコンテンツがない」
・「その他」「特になし」
「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートの結果及び今後の方向性について」デジタル庁
【アンケートにより抽出された課題】
・「使い方が分からない」
・「先生も使い方を分かってないので、教えて貰えない」
・「アクセス制限が厳しすぎる」
・「あまり使わせて貰えない」
・「持ち帰りをさせて貰えない」
・「作業中にPCが止まる」
・「ネットが遅くて使いづらい」
・「個人情報等の取り扱い方が分からない」
「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートの結果及び今後の方向性について」デジタル庁
1人1台、配られても持ち帰らない学校もある
児童生徒に1人1台のPCタブレット端末が配られ、登下校にタブレットを持ち帰るようになります。
しかし、文部科学省の実態調査によると地域によっては日常的に自宅に持ち帰る、持ち帰らない学校に分かれているためバラつきがあります。
非常時 | 平常時 | |
---|---|---|
◎ 実施済み・実施できるよう準備済み | 64.3% | 25.3% |
△ 準備中 | 31.9% | 51.0% |
× 実施・準備をしていない | 3.7% | 23.7% |
平常時でもまだ74.7%の学校が準備が済んでいない状況です。
端末が配布されていても、学校からの持ち出しが禁止されているところも。
しかし、コロナによってオンライン授業が加速してタブレット端末を使った学習が進むかもしれません。
うちの小学校でも普段は持ち帰りはありません。2021年の夏休みでは、家にタブレットの持ち帰りがOKだったので夏休み前後ではランドセルに入れて登下校しました。
よくある質問や疑問
タブレット端末が普及することで心配するママの声も。
- 既存教材+タブレット端末をランドセルに入れるので荷物が増え、持ち運びの負担が心配。
- 視力低下の心配。
- 親のサポートが必要で教えられるか、心配。
- 壊さないか、端末を大切に取り扱えるか、心配。
- ちゃんと勉強になっているのか、遊びに使ってないか、心配。
▽気になる項目をクリックしてください↓【疑問&解決】
ランドセルと荷物の重さはどれくらい?
体重の約15%の荷物を背負っていて体に負担がかかっています。
フットマークの調査によると、小学1~3年生のランドセルの重さ(荷物を含む)は平均3.97キログラムで、通学時のランドセルが「たまに重いと感じている」が42.4%と最多だった。次に「頻繁に重いと感じている」が25.3%、「常に重いと感じている」が22.8%と続いた。同学年の平均体重は約25キロとして、体重の15%ほどの荷物を背負っていることが分かった。
繊研新聞社
荷物を含むランドセルの重さが平均約4キログラムということで、小さい体でこの重さはさすがに思いと感じても無理ないですね。
今までの紙の教科書はいらなくなるの?
現状、タブレット端末が全国すべてに行きわたっていないですが、たとえ1人1台に行きわたっても当面の学習方法は既存教材がメインになるでしょう。
学習者用デジタル教科書は、これまでの紙の教科書と同一の内容となります。
しかし、紙の教科書とデジタル教材は併用していくので現状、これまでの既存教材にタブレット端末が追加されます。減るどころか、荷物が増えることは避けられません。
【最後に】まとめ
最後にあらためて、タブレット収納付ランドセルのメリットとデメリットを確認しておきましょう!
専用スペースに端末が入るか確認
タブレット収納付ランドセルを買うべきか、見送るべきかの判断は「タブレット端末が専用スペースに入る」ことが第一絶対条件。
いざとなって入らなくてもそのスペースに収納場所としてほかのものを入れたり、取り外せるケースなら取り外して活用できます。しかし、せっかくならタブレット収納に特化した機能を十分発揮させたいですよね。
まだ種類も少なく色やデザインに限りがあります。
「タブレット収納があれば便利だけど、なくてもいいかな・・・」
あまりこだわりがなければ、バリエーションが豊富なこれまでのランドセルから好きな色やデザインのものを選んでも◎
2021年4月からスタートしたGIGAスクール構想に合わせた新機能ランドセルのため、メリットだけでなく、さまざまなデメリットがあるのも事実です。
タブレット収納専用のものを使いたいという方は実物のランドセルを見るのが大事です。
特徴を理解した上でタブレット収納付ランドセルも視野に入れて選んでください!
いずれのデメリットも学校にサイズや種類を問い合せ、子供本人の意見も聞きながら気に入った色やデザインのランドセルを選びましょう。