「よし!自分で作ってみよう!」
しかし、布地を買ってきて、いざカットしようとしたら思わず手が止まってしまったなんて経験ありませんか?
- 生地の表と裏の見分けがつかない
- 表はどっち?どっちでもいいのかな
- 表も裏も同じに見える・・・違いがわからない
柄のあるプリント生地はどっちが表面なのか、わかりやすいですが、無地は表と裏の違いがわかりにくいことが多く、迷って手が止まってしまうことも。作ってしまってから、生地の表裏を間違えたかも・・・と不安になる人も少なくありません。
そこで入学グッズを製造している私が誰もがかんたんに裏表を見抜くポイントをピックアップ!
「自分に手作りなんて無理・・」
それでもわが子の小学校入学のために作ってみようかな、というママのために!
入学グッズ作りでよく選ばれるおすすめの生地をメインに動画、写真で検証。裏表の見分け方をわかりやすくご紹介します。
【特徴】生地の表を判別する方法
- プリント絵柄や色がきれいに、ハッキリ濃い方がオモテ
- ファーやベルベット生地などの毛足や起毛がある方がオモテ
- サテンやナイロン生地など光沢がある方がオモテ
- 生地の耳にメーカー名やロゴなどが印字されている方がオモテ
- 生地の耳にポコッと突き出た針穴がある方がオモテ
プリントされた絵柄の生地より無地の方が、生地の裏表を見分けるのが難しくなります。裏表を見比べても違いがわからず、同じに見えてしまうことも少なくありません。
かんたん!裏表を見分ける3つのポイント
【3つのポイント】
- メーカー名などが印刷されている生地耳をチェックする
- 耳にポツポツする小さな針穴の凹凸を見分ける
- 生地の光沢や触り心地、綾目模様を見る
プリント絵柄や色でまず裏表の見分けができますが、見た目で判断できないときに一番最初にチェックするところは、生地の耳の部分です。耳があれば、一番かんたんに裏表の判断がしやすくなります。
【1】生地の両端の耳で見分ける
硬くほつれない部分が「生地の耳」になります。メーカー名やロゴが入っていることもあり、表側から印刷されているため、表か裏かを判断するポイントになります。
布目がたて地と並行して両側の端が「耳」になります。メーカー名や「Made in Japan」などの印字がない耳もあります。
生地屋さんから購入する場合、オーダーカット生地は、たて地と並行して布の長さをカットして注文となります。ハギレ以外は、基本的に「耳」も含まれるので両サイドの耳があるはずです。
表側から印刷されているので無地の生地でもすぐに判断できます。まずは生地の耳をチェックしましょう!
【2】針穴の凸凹で見分ける
生地の耳には、メーカー名やロゴ以外にも針穴があります。
このポコッとした穴。これは、生地製造過程で生地の仕上げのとき、機械にセットすると両サイドにできる穴になります。
裏面から針をさすため、表側にポコッとなります。そのため、凸の方が「表」という判断になりますが、実はこれだけで判断しきれません。一部の工場で「凹の方が表面」の場合があるためです。
約90%の確率で凸が「表側」だと判断できますが、100%ではありません。必ず「表」というわけではないので注意してください。
【3】生地の光沢や触り心地で見分ける
「耳もない」「針穴もない」と悩んでしまいますよね。
そんな場合は、実際に生地を触ってみて光沢があるのはどっちなのか、触り心地がいいのはどっちなのかをチェックします。
私は、自分ではどうしても判断できないとき、購入した生地屋さんに確認をとったことがあります。悩んでるくらいなら聞いてしまおう!と聞いた結果、どちらでもいいですよ、という回答でした。購入先のお店は快く返答してくれるので一度問合せてみるのも手ですよ。
平織生地の裏表の区別がつかない場合は、どちらを表にしてもOK!なんです。
表か裏か!?どっちの面でもOK
プリントがある生地は表と裏がハッキリしていて迷うことは少ないと思います。見分けにくいのが無地。表と裏で色の見え方が違いますが、にらめっこしてても区別がつかない生地も中にはあります。
そんなときは悩まずに好きな面、好みの方を表にしてもOK!
どっちでもいいのに、なぜ裏表があるのか?
生地は、織り傷や汚れ、破れなど欠点の有無を検査しています。その検査は、「表面」だけのため、裏面は検査の対象外になります。
そのため、裏面に汚れなどがあっても表面がきれいに仕上がっていれば、A反(正規品)として判断されます。A反だからと言っても織り傷やプリントミスなどの欠点は3~5ヶ所まで認められています。
平織生地は、交互に糸を織っているので織りによる表裏は、どちらからみても表情が同じです。
経糸 (たていと)と緯糸(よこいと)が交互に交差する最も基本的な織り方。
どっちでもオモテとして使用できますが、このような点から光沢や触り心地で違いがあります。検査をしている表側を表面として使うのが理想ですね。
作品つくりの注意点
裏表を見比べて、きれいだから使いたいなと思えば「こっちが表」で、決めてOK。光沢や触り心地、見た目で判断してください。
注意点は、表と決めた面を統一して使用すること。裏表で光沢感が若干違うことがあります。裏表の向きを統一して使うことが大事なので一つの作品の中で裏表を混ぜないようにしてください。
【2選】裏表を忘れないための裏ワザ
使っていくうちに耳の部分がなくなったり、ハギレ生地では、せっかく裏表を決めても無地だと区別がつかなくなってしまいますよね。
どっちが裏か、表か決めたら統一して使用できるように、しるしをつけておきましょう。裏表を見分けたあとに忘れないためにしるしは、必要ですよ!
裏表の区別を忘れない裏ワザを2つご紹介!
- 【裏ワザ①】テープを貼る
- 【裏ワザ②】しつけ糸を縫う
水通しをすると耳の針穴が消えてなくなってしまっても、糸を通しておけば裏表の目印は残るのでおすすめです。裏ワザ①のテープでは、水通しをする前に貼っておけません。
手順:しつけ糸→水通し→テープ
耳の針穴だけを目印にしていると水通し後、区別がわからなくなることもあります。水通しをする前に、裏ワザ②のしつけ糸で縫ってから水通し後、テープを貼る流れもおすすめです。
【裏ワザ①】テープを生地に貼る
裏表をどっちか決めたらシールやマスキングテープなどで目印に生地に貼っておくことをおすすめします。生地の表の面には貼らず、粘着汚れ防止のため裏側に目印を貼るようにしましょう。
昔、ポストイットを貼っていましたが、いつの間にか、なくしていることもありました。つけたり剥がしたりしていると粘着力が弱く、だんだん剝がれやすくなります。
ポストイットは粘着が弱すぎるので、おすすめはしません。
【裏ワザ②】しつけ糸を生地に縫う
しつけ糸を生地に縫いつけて目印にします。自分で裏面から針を通すのか、表面からなのか決めてください。
私は、見た目がスッキリという意味で裏面から針を通して、「表面の見た目を良く」という自分が忘れないルールで目印にしています。
糸の端を長めに出しておいて、抜けないようにしましょう。生地の色みと違う色の糸を使用すると、目立ってわかりやすいですね。
シールを貼るのはイヤ、という方にはおすすめです。
【入学グッズ作りおすすめ】生地別に検証
入学グッズを作るときによく使われる生地別に裏表を見分けましょう!
【主な平織生地の一覧】
1. オックス生地の裏表
プリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
裏表の表情が同じ平織のオックス生地は、無地だと裏表が判断しにくいので迷いやすいですね。
耳の部分がある場合は、ポツポツした針穴があれば、どっちが凸しているのか確認しましょう。
ハギレや耳がない生地で見分けにくい場合、どちらをオモテにしても大丈夫です。
作品つくりに影響する、触り心地がいい方をオモテにするのもポイントとなります。
2. キルティング(キルト)生地の裏表
キルト生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
表地+中綿+裏地の三層構造のキルト生地は、表地と裏地の種類で表情が違うものになります。
表地の種類によって「オックスキルト」「ブロードキルト」「サテンキルト」と素材が変わってきます。生地の端処理されている糸の見た目で裏表の判断はできますが、手芸初心者の人にはわかりにくい部分でもあります。
裏地はシーチングを使うことが多いですが、判断しにくい場合は触り心地などで判断しましょう。
3. シーチング生地の裏表
シーチング生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
シーチングの無地は、耳があれば針穴などでわかりやすいですが、耳がないと裏表が同じに見えて本当に見分けしにくいです。
ざらつきのあるシーチング生地は、裏表の表情が同じ平織生地。触り心地もチェックして裏表の判断に困ったら、好みの方をオモテとしても大丈夫です。作品つくりをする場合は、オモテにする面を統一しましょう。
4. ブロード生地の裏表
目の詰まったブロード生地は、プリント絵柄がある場合でもすぐにどっちがオモテか、わかりにくいものもあります。薄手でやわらかく、裏側にも絵柄が出てしまっているとドットやボーダーなどのデザインだと判断できません。
耳の針穴やプリント絵柄がハッキリ見える側と、かすれて見える側で裏表を見分けます。プリント絵柄や色がハッキリ濃く見える方がオモテと判断しましょう。
ブロード生地の無地は、耳がない場合、見た目では判断しにくいので触り心地や好みでオモテとしましょう。
5. 綿麻(ハーフリネン)生地の裏表
ハーフリネン生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
写真のようなリバーシブルタイプでは、どっちをオモテにしても大丈夫です。しかし、生地として裏表を見分ける場合、耳の針穴を確認すると判断できます。
6. 帆布生地の裏表
帆布生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
無地の帆布もどっちが裏表か、見分けしにくいので耳を確認し、耳がなければ好みの方をオモテとします。
7. 10番オックス生地の裏表
10オックス生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
無地であっても裏面まで表面と同じ色になりません。無地でも色のついた生地であれば、すぐに判断できます。
8. ナイロン生地の裏表
ナイロン生地もプリント絵柄がある生地は、すぐにどっちがオモテか、わかりやすいです。
無地の場合すぐに判断しにくい生地ですが、触り心地で見分けやすくなります。裏面はざらつきがあります。
ナイロン生地は撥水加工のため、水をはじきます。
表面のツルツルした側に水滴をのせると浸透しません。裏面のザラザラした側は、浸透します。触り心地でどうしても判断できない場合は、水滴をのせてみてください。違いがわかると思います。
【まとめ】生地の裏表の見分け方
- メーカー名などが印刷されている生地耳をチェックする
- 耳にポツポツする小さな針穴の凹凸を見分ける
- 生地の光沢や触り心地、綾目模様を見る
「こんなことを意識して今まで布を見ていなかった」という人にとって、わずかな違いを見分けるのは大変ですよね。
また、裁断をしていくうちに裏表がわからなくなってしまうこともあります。
- 耳にポツポツする針穴がない生地
- 裁断済みの耳がないハギレ生地
見分けるポイントはありますが、見分けがつかず悩んで先に進まないくらいなら、一番は「どちらでも好きな方を表」と決めてOK!
裏表を確認して、どちらがウラ面かオモテ面か、把握して目印をつける
ぜひ、ご紹介した裏ワザを活用して裏表を区別することをおすすめします。裏表の向きを統一してお好みの生地でハンドメイドを楽しみましょう♪